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!important #07 -伝えるデザイン、伝わるデザイン- に参加!(講師:長谷川 恭久さん)

by サムライデザイン 小佐々康生

2/3に開催された!important #07長谷川恭久さんのお話しを聞いてきました。
長谷川さんはご自身のブログやPodcastでデザインにまつわる話題を常に発信されています。

有名どころは法人が多い中、フリーランスでこれだけ引っ張りだこなのはすごいなと思いました。
あとちょっと気になるのが屋号がなさそうなところ。欧米ではそっちの方が普通なのかな?
懇親会で長谷川さん自身の働き方のポリシーを聞いてみればよかった!

当日のながれ

  1. 自己紹介
    参加者全員(約30名)、自己紹介(仕事は何ですか?興味があることは?)
  2. 導入
    現在の環境
    デザインプロセス(調査、定義、模索、実装)
    欧米と日本におけるデザイナーの違い
  3. レクチャー
    デザイン批評の基礎
    フィードバックを得るためのコツ
  4. ワークショップ
    ステークホルダーにデザインプロセスの価値を与える
    相手の視点や、伝え方を考える
  5. 質疑応答

導入

本題までの導入部分。
デザイナーは「話せるようになろう」という内容。

プロジェクトのデザインプロセス

デザインプロセスは以下の4段階に分けられるとのこと。

  1. 調査
    発散、インタビュー、データ収集、市場調査
  2. 定義
    集約、コンセプト、ペルソナ、ジャーニーマップ
  3. 模索
    発散、プロトタイプ、検証、イテレーション
  4. 実装
    集約、機能、ビジュアル、テスト

1-2がまとまった後に「課題定義」を行います。
確かに効果のある制作を行うためにはどれも必要ですね〜。
しかし、これらの各フェーズにはアンチパターンが…

  1. 調査
    スケジュール・予算に入っていない
    重要性が伝わらない
  2. 定義
    課題共有していないまま進む
    スケジュール・予算がとれない
  3. 模索
    学習できない環境
    後戻りのコストが肥大する
  4. 実装
    ここからの仕事になる場合がある
    「そもそも」が共有されていない
    様々な「しわ寄せ」を背負うことになる

あるある!
4の実装がメインになって、1〜2がおろそかになるケース…
地方だと1が特に弱いような。。

1〜2のフェーズがスケジュールや予算に入れられてないってことは、クライアントがその必要性を感じてないということ。
制作側がそのフェーズを必要だと思うのであれば、やはりその必要性をクライアントに提示していくしかないですよね。(=話せるようになる)

長谷川さんは「話せる」を次のように定義しています。

日本の場合は代理店が間に入ってしまって、その提案ができないというケースがあるようです…

欧米と日本のデザイナーの違い

両者を比較した場合、作れるスキルはそんなに変わらないのだそうです。
しかし「話せる」という点においては欧米の方に分があるとのこと。

黙って良いモノを作るという「職人気質」のデザイナーではなく、
プロジェクトの質の向上、クライアントのために、どんどん話していくべし。
「そこディレクターの領域じゃん!」とかいう考えは自分の成長を止めちゃうのでやめた方がいいかと。
これからは作れて話せるデザイナーになりましょう!

レクチャー

デザイン批判ではなく「批評」

人格否定しているかのような表現は「批判」になりますが、
意図を共有、課題解決するための会話は「批評」です。

批評のフレームワーク

デザインの批評を行うためのフレームワークを教えていただきました。
感覚的な表現だけにせず、以下のことを盛り込むこと。

活用例

お客様は
気軽に製品を購入したいのに、
長い製品情報の下にしか購入ボタンがないのは、
他の情報によって埋もれるので
効果的ではないと思う。

この様な伝え方をすることでデザイナー自身が考えることができて、成長を促せるんだそうです。
デザイン外注した場合は「批評」しよう!

目的・得たいフィードバックを考慮して成果物を選ぶ

これも非常に大事ですね〜。
地方のお客さんはすぐにデザイン案持ってきてって言いがちだけど、
そうなると色々ヒアリング漏れが発生していまいます。
こないだもあったな…

コンセプト・操作フロー

流れとして自然か?
技術的に可能か?
抜けている視点・課題は?
短縮できるところは?

ワイヤーフレーム・プロトタイプ

必要なコンテンツは何か?
個々のコンテンツの関連性は?
利用者を誘導できるか?
適切なUI要素はが使われているか?

ビジュアル・コピー

バランス・リズムはどうか?
注目してもらいたい要素は?
ブランドに合う見た目か?
読みやすいか?アクセシブルか?

成果物ごとに提案することでクライアントから的確なフィードバックをもらえますね!

ワークショップ

ステークホルダーにデザインに関わる課題を理解してもらい
採用する価値が有ることを伝える

クライアントに話しを聞いてもらうためには、クライアントに寄り添った提案、言葉選びが大事ですね。
直クライアントとやり取りしてたら肌感覚でそれが分かっていくと思います。
「うわ、ぜんぜん伝わってない」とか「まずい方向に行ってるな…」とか、そんな経験の中で。

デザイナーみんなが直クライアントとやりとりしているわけではありません。
というわけで今回のワークショップはその疑似体験。

長谷川さんが用意した仮想ステークホルダーに対して、受け入れられるように企画提案して、採用されるのがゴールです。

  1. 聞き手のマインドセットを整理
  2. 伝え方を考える

ワークショップ1:聞き手のマインドセットを整理(30min)

島ごとに分かれてワークショップを行いました。

大きな模造紙の中心にステークホルダーの名前を書き、
全体を「圧力」「見返り」「優先順位」に区切って、考えたことを付箋に書いてどんどん貼っていきます。
いわゆる「言語化」ですね。
僕は普段ひとりで考えるばっかりなので、複数人で様々な視点を共有するのは新鮮!

圧力:聞き手の課題/組織に課せられた仕事
見返り:直接的なメリット
優先順位:大事にしている価値観

バンバン付箋が貼られる感じではなかったですが、粛々と進んでいきます。
まだ全部出揃ってない…!という状態でタイムアップ。

ワークショップ2:伝え方を考える(20min)

出来上がったマインドセットを元にして、ステークホルダーに響くような提案を行う。
提案する企画自体は課題で設定されているので、ここで考えるべきは「ステークホルダーがこういう価値観を持っているから、それに寄り添った伝え方で提案する」ということ。

ステークホルダーの会社内の立場を考えた場合のメリットの提示、本人の個人的な状況(家族関係など)を考えた場合のメリットなどをみんなで考えていきます。

伝え方の例も提示していただきました

○○さんがAを理解すれば、
企画を実践することによって
Bができるようになる。

あーだーこーだいいながら、思ってることが言葉にできなかったり、もどかしい時間もありつつあっという間にタイムアップ。
みんなで平等に話したけど、スムーズに進めるためにファシリテーションしとけばよかったかも。

そしてチームごとに発表。
我々のチームの発表者は公平にじゃんけんで決めましたw
つっこまれるかなーと思うところ(抽象的、分解できてないところ)にしっかりツッコミをいただきつつ、発表終了。

こういったワークの時によく思うのが、「正しい答えを提示しないといけない(特に講師に対して)」「他のチームに恥ずかしくないものにしたい」という日本人らしい思い込みバイアスがかかってしまう気がします。
僕はワークをあまりしたことないですが、学び・チャンレジの一環なので上記のバイアスは全部うっちゃって自分が得られるもの重視でいくのがいいんじゃないかなーと思ってたりします。

さいごに、恒例の集合写真。
イベントする時はこういうのちゃんと残さないといけないですね〜

これからWebデザインの没個性化がより加速していくように思えます。(エモーショナルなビジュアル訴求もジャンルによってはもちろん大事ですが)
「ビジュアル、見た目のインパクトがクライアントに提示すべきデザインなんだ!」という旧態然としたやり方から、一見シンプルと取られるデザインシステムのメリットをきちんと「伝えられる」デザイナーにならなきゃいけなくなるような。
Webデザイナー全員。

「シンプルなのが流行ってるんです」で片づけるんじゃなくて情報の取りやすさ、効果、一般ユーザーのUI浸透具合、実装の手間、表示速度などなど、山ほど。
クライアントに理解してもらう、納得してもらってプロジェクトを進めるのは非常に大事だと思います。
共通意識を持てますし、信頼を得られますし、クリティカルな手戻りもなくなります。

結構長時間だったんですが、参加してる時はあっという間に時間が経ってしまいました。
!importantはいつも魅力ある講師を呼んでるのでありがたいです。
まだまだ勉強しないといけないということを毎回実感します!
主催者のみなさん、次回も楽しみにしております!

長谷川さん、ぜひ北九州にも来てもらいたいなぁ。
もし実現したら聞きたいことをしっかりリストアップして挑もう。

おまけ(教えてもらったお得情報ッ)

長谷川さん、状況に合わせてツールをかなり使い分けてる感じです。
ディレクターとデザイナーの親和性が高いのはXDだけど、デザイナーとエンジニアの連携だとSketch、みたいな。
これからも追って、色々勉強させていただきます!


サムライデザイン 小佐々康生
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